• 病理革命

「クラスター」とは

最終更新: 5月21日

新型コロナウイルス(COVID-19)感染症の報道で使われている言葉「クラスター」の本来の意味を解説します。世界中でCOVID-19の感染が広まっている昨今では、各種メディアには「クラスター=感染者集団」という使い方で解説、掲載されています。本来のクラスター(cluster)の意味は「ブドウなどの果実や花の房のことで、ブドウの粒のような個が連携した集合体の呼称」です。とても的確な良い表現ですが、病理診断でもクラスター(cluster)という単語をよく使います。

喀痰、乳汁、尿などの中に含まれている、細胞を顕微鏡で観察して「細胞や細菌が塊として見えること」をクラスターと表現します。クラスターとして病理医が診断する頻度が高いのは、やはり癌細胞などの悪性細胞です。画像1は肺癌の癌細胞のクラスター(癌細胞の塊)です。このように細胞や細菌を例にして、COVID-19のクラスター(感染者集団)ができていく様子を画像2~4で解説します。


#クラスター #集団


画像1:喀痰中に出てきた肺癌細胞のクラスター(実際に顕微鏡で観察したもの)



画像2:細菌の増殖を実験的に観察した顕微鏡写真ですが、赤い細長いのをCOVID-19に感染していないヒトと思ってください。青い丸はCOVID-19に感染したヒトとします。最初は青い丸は少ないです。(各地での散発的な感染者発生の例え)


画像3:ところどころに青い丸の小さい塊ができています(感染者が各地で近くのヒトに感染させた様子の例え)。周囲には赤い細長いもの{感染していないヒト}がまだあります。



画像4:小さい塊だったものが、青い丸が数が増えて大きな塊になっています。(集団感染の様子)。赤い細長いもの{感染していないヒト}はほとんどありません。 

* 画像2から4は、緊急事態宣言が出る前の状況と、現在の感染者数の増加を見ているようにも思えます。この画像を思い出して、皆さん十分に気を付けて行動してください。




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