• 病理革命

いま一度 PCR検査について知ってください

#PCR #コロナ #全自動PCR検査 #RNA #DNA


緊急事態宣言が解除となり、やっとコロナ以外のお話を書こうと思っていたところに、またPCR陽性者が増加してきました。まだコロナの第2波ではないと有識者の方々が言っていますが、「第2波に備えてPCR検査を一日1万件へ」とか「全自動のPCR検査機器を助成金で医療機関や検査会社に整備すべき」などといった声もあります。


こんな中で、でもやっぱりPCR検査の大変さを、皆さんにも伝えておきたいと思いブログにしました。


結論から言いますと、PCR自体はずっと全自動なんです。RNA(またはDNA)を増幅する過程は、加熱時間や温度が既に個別のウイルスや細菌に合わせて設定されているので、PCRの過程(機器)にのってしまえば後は待つだけです。


では何が大変なのか!?というと、


患者から採取した検体(咽頭ぬぐい液や唾液など)からRNA(またはDNA)を抽出する過程が大変なんです。下の図は患者検体からPCRにかけるまでの作業工程を絵にしてみました(個々の技術説明は省きます)。左上に検体がありますが、これを洗浄して汚れた物質を除き、わずかなRNA(またはDNA)を抽出して、処理をします(ここではアルカリ処理と記載されている)、処理したものを温めて、中和し、そして初めてPCRの機器にかけます。大変なのは、PCR機器にかける前までの作業工程なのです。この絵の部分が全部全自動になっていれば大変作業効率が良くなりますが、とても繊細な工程・技術ですから全自動機器はきっと高額なのではないでしょうか。



注)Wash:洗う,Centrifuge:遠心分離,Aspiration:吸引,Incubate:温める,培養する



PCRの反応がすべて終わった後はこのようになります。丸の一つ一つに検体が入っており、黄色は陽性、色のないところは陰性、薄黄色はいわゆる偽陽性ですが、目で見て判定するのではなく、吸光度計という機器で自動で判定し数値化します。*実は右の縦3列はすべて陽性の模擬検体を入れたので全て黄色になるはずですが、所々薄黄色です。どこかの過程で反応が阻害されてしまったようです。右3列以外は実際の検体を入れているので、黄色のところが陽性になります。(これはコロナの検査ではありません。私の研究時代の写真を説明のために挿入しました)





PCR検査の結果は、単に「陽性」「陰性」でしか知らされませんが、この結果を出すまでには、検査技師さんや技術者、研究者の方々の繊細かつ精密な技術があるということを皆さんにも知ってほしいです。



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